どうもです.
出典:http://www.dsm.com/products/dyneema/en_GB/home.html
今日はPEラインの材質の一つ「ダイニーマ」に迫りたいと思います.
ダイニーマについては以前もかるく触れていたかもしれません.
重複になっていたらすみません.
PEのラインにこだわっている人なんかは,よく「ダイニーマ」というのを効いたことがあると思います.
これはDSM社の商標で,日本ではTOYOBOがライセンス生産を行っております.
グレードにはローグレードなSK60とハイグレードなSK71があります.
YGKよつあみ などで「スーパーダイニーマ」と呼ばれているのがSK60,
ウルトラダイニーマと呼ばれているのがSK71になります.
それぞれのプロパティを知るためにTOYOBOのHPを参照します.
http://www.toyobo.co.jp/seihin/dn/dyneema/seihin/tokutyou.htm
http://www.toyobo.co.jp/seihin/dn/dyneema/seihin/
こういう図って鉄なんか比べたりしているのですが,正直無意味だなぁと思います.
大事なところだけのメカニカルプロパティを下に示します.
SK60
強度:26cN/dtex以上 (2.6GPa以上 )
弾性率:790cN/dex以上 (79GPa以上 )
破断伸度:3〜5%
SK71
強度:35cN/dtex以上 (3.5GPa以上 )
弾性率:1230cN/dex以上 (123GPa以上 )
破断伸度:3〜5%
比重はどちらも0.97
こんな感じです.
SK71はSK60の約1.35倍の強度を有しています.
たまに,同じ号数でもPEで弱いPEと強いPEがある.材質は同じなんだからその違いは実は太さだ!!!
って書いてある時もあるのですが,もちろん,そういう時もあると思いますが,基本的には材質の違いです.
SK71は全ての面でSK60を上回ります.
強度の他にも注目すべきは「弾性率」これはバネ係数を連想してもらうと良いのですが,この値が「大きいほど」「低伸度」であることを示します.つまり,SK71はSK60に比べ,同じ力で引っ張った時,64%の伸びで収まるということが分かります.
つまり高感度だってことですね.
もし,少しディープなジギングをやるのであれば,断然SK71を使用した糸をおすすめします.
よつあみのHPで「ウルトラダイニーマ」と書いてあればOKです.
※ちなみに,低伸度を謳っているスーパーファイヤーラインも原糸はダイニーマです.あれは編み込み構造でなくストレートな構造をしているので,構造緩和がなく,編糸(製品)として低伸度に仕上がっているものです.決して特別な素材を使っているわけではありません.
さらに,ダイニーマを用いたPEの取扱い上の注意点です.
以下のことは一応頭に入れておいたほうが良いと思います.
・ダイニーマは耐光性(対紫外線性)は高いが,劣化はする.
PEラインは全く紫外線劣化しないと思われていますが,劣化します.
おおよそですが750時間の照射で強度は約80%まで落ちます.
PEラインの保管はなるべく暗所で行いましょう.
・ダイニーマは耐熱性があまりない.
これは使っていて,なんとなく分かっている人はいると思いますが.具体的な数値で書くと,60度で強度が約80%になります.60度と言うと,真夏の車の中の気温はこれに相当します.夏,クルマの中にPEラインを放置しないようにしましょう.
耐光性と耐熱性,合わせると,単純な掛け算ではないのですが,単純にやってしまうと64%の強度しかでなくなります.
さらにここに結束強度などが入ってきて,スペック値の半分ぐらいになってしまうことも・・・.
というところでかなり気をつけて使っているつもりでも思わぬところで劣化してしまっているかもしれないのがPEラインになります.
以上まとめると,
ダイニーマには二種類ある.弱いSK60と強いSK71
ディープなジギングにはSK71が向く
PEラインはなるべく熱を加えず,暗所で保管するのがよい
となります.
また,フィッシングラインのグレードはないのですが,SK99なるダイニーマもあったり,今後ももっと強いダイニーマが出てくる可能性はあると思います.
明日はシマノのパワープロが採用している「スペクトラ」について書きたいと思います.
でわ!
ダイニーマを使った主な製品群は以下の様なものがあります.
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