【驚きの結果】遊漁船による漁獲量(釣獲量)(京都のケース)

どうもです.
遊漁船が釣る魚の量なんてまき網船が捕る量に比べたら大したことないよ.
ましてや,そんなにたくさん遊漁船が居るわけでもなし,漁師の方が大量に獲っているのでは?

そう思っていました.

が,なかなか遊漁船の漁獲量というものを定量的に示したデータというものは無いものです.

で,探しまわった結果,限定的地域,かつ限られた魚種ではありますが,データを見つけました.

京都のケースですが,以下から試料はダウンロードできます.

季報:第102号 遊漁船による釣獲量と経済効果

http://www.pref.kyoto.jp/kaiyo/documents/1314683092919.pdf

ものすごく興味深い資料です.
※マダイをメインで調査したため,マダイ以外の魚種について,遊漁船の釣獲量は過小評価されていることに留意※

完全に遊漁船の釣獲量が合っているという補償もないのですが,こうやって公開されている以上,ある程度信じざるを得ません.
京都の日本側のケースです.
最初から最後まで読んでもらいたいですが,個人的に興味深いと思った点をまとめます.

・京都府内に登録されている遊漁船は概ね400隻
・マダイ釣りをする船は230〜250隻
・年間航行数が200日Overの船もいる
・年間延べ遊漁社数は7.7万人
・マダイの釣獲漁は平均175.2トンに対し,漁業平均は96トン
・チダイの釣獲漁は平均31.6トンに対し,漁業平均は14トン
・キダイ(レンコダイ)の釣獲漁は平均7.2トンに対し,漁業平均は23トン
・メダイの釣獲漁は平均62.5トンに対し,漁業平均は40トン
・マアジの釣獲漁は平均109.4トンに対し,漁業平均は3940トン
・イサキの釣獲漁は平均30.9トンに対し,漁業平均は10トン
・ブリ類の釣獲漁は平均142.5トンに対し,漁業平均は4909トン
・カサゴ類の釣獲漁は平均9.3トンに対し,漁業平均は23トン
・ウスメバルの釣獲漁は平均7.3トンに対し,漁業平均は6トン
・ケンサキイカの釣獲漁は平均14.7トンに対し,漁業平均は49トン
・遊漁者の年齢は60歳以上で約2/3を占める
・京都府北部地域(海沿岸地域)に及ぼす遊漁船業の経済効果は年間約10億円

とまぁ,こういう感じです.
漁獲量について,少しだけわかりやすいグラフを作りました.

オレンジが遊漁,水色が漁船,数字は漁獲量をトン表示しています.

こうしてみると,マダイについては遊漁のほうがかなり獲っている!という結果に・・・.
これが一番驚きでした.たしかに一隻一隻の獲る量は漁師全体から見ればちっぽけなものかもしれません.しかし,思った以上に遊漁船が多い!そして釣っているという結果に.

網での漁業が比較的難しい魚種はは遊漁船のほうが獲っている結果となっているように思います.

なかなか考えさせられます.もちろんこれにはプレジャーボートや陸っぱりの釣果は含まれていないわけですから.
釣れる方法を考えて広めるというのも考えものだなぁと思います.

近年,鹿児島錦江湾では「マイクロジギング」なる釣法が流行の兆しを見せており,一部からは「若魚まで根こそぎ釣ってしまうので錦江湾は死の海になるんじゃないか?」といった声が上がっており,それはちょっと言いすぎかなぁと私は思っていたのですが,こういうデータを見せつけられると,なるほど納得です.
ただでさえ錦江湾はプレジャーボートも多く,カヤックで出ている私の感覚としてもボートや漁船,遊漁の少ない外洋と比較するとあまり大型のハタ類は見ませんし,数も比較的少ないです.

小さい魚はリリースをする.というのは全てのアングラーに言えることですが,リリースをしたからといって生きているとは限らない(これはまた未来の記事で)
更には,「できることなら小さいリリースするような魚はかけない(釣らない)努力をする」というのもある程度,腕が上がってきた熟練のアングラーに求められることかもしれません.
さらには,産卵で多くの卵を生むであろう大型の個体をラインブレイクでバラさないということも必要かと思います.最近の細糸の流行はそういう意味でもあまり賛成できません.ゲームとしての魚釣りや細糸ならではの利点はもちろん認めます.

かといって,私がすべてかけた魚をバラさず,小さい魚はかけていないかと言われたらそうではありませんので,偉そうなことは言えません.もとい言っているつもりもないのですが.

昔に比べるとやっぱり魚は減ったと思います.釣れなくなったと思います.
いつまでも豊かな海であることを願って,アングラー一人ひとりが,漁師一人ひとりが海を思い,想いやるそんな世界になってくれたら良いなと思います.

みなさん釣って欲しいなと思う反面,難しいですね.

読んでくださった皆さん,今一度資源について考えていただければと思います.

でわ.

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