ジギングにおいて潮下の釣座で他より釣る工夫

船の釣座.

船釣りをしない人にはあんまり馴染みのない言葉が出てくると思いますので,解説しておきます.

船釣りは船の弦(船べり)に並んで釣りをします.
ポジションには名前があります.

船の通常進む側を船首,後ろを船尾といいます.
船の船首側のポジションをミヨシやオモテといい,船の船尾側のポジションをトモと言います.真ん中のポジションはドウと言ったりします.

で,ジギングは通常,錨を打たないので潮や風に煽られ船は流れます.
完全に風まかせ,潮まかせの釣りはドテラ流し
風の影響を少し抑えるためにシーアンカー,パラシュートアンカーを入れる釣り
スパンカーを貼り,風の影響を船のエンジンで相殺して潮流れと船の流れを同調させる流し釣り
などがあります.

どの例でもそうなのですが,一般的に言って,魚の群れに入っていく方の釣座(潮上)が釣果的に有利とされています.

これは大して説明しなくてもわかると思いますが,潮下のポジションの方が先にポイントに入っていくわけですから,魚に一番先に見て貰える確率が高く,食い気があれば食ってしまうということです.

なので,場所取りは釣果において重要ともいえます.

しかし,この「釣座」というのものを気にしすぎていては釣りは楽しく無いと思っています.
私も昔は有利な釣座に入りたいと思っていましたが,最近はどこでもいいなと思っています.なんなら毎回潮下でもいいです.

なぜこんな心境の変化があったのか?
釣座に関係なく釣れなきゃ上達したと言えないんじゃない?と思ったのと,実際,潮下でも工夫すれば釣れるということを何回も経験したからです.

潮下が不利であることは間違いはない事実ですが,どの程度不利かはその日の状況に寄ります.
「潮上の人は普通に釣れていて自分は釣れない,あーポジションのせいだ.」
と短絡的に考えるのは良いことだとは思いません.

釣りにくいからこそ面白いのであり,工夫のしがいがあるのだと思います.
工夫といっても事細かにすべてを書き並べられるほど単純なものではないんので,文字で全部をさらけ出すことはできませんが,私がよくやっている潮下でも釣る工夫について数点述べたいと思います.

1. ジグを落とすタイミングの工夫

ジグを落とすタイミング.
基本的には船長さんの投入してくだい〜という合図で一斉にジグを投入します.
ここで,他とタイミングを少しずらすということがあります.
船の流れは1ノット=毎秒約0.5mです.
50フィートの船は約15mあります.再船尾と再船首でポジションを取っている人がいる場合,1ノットの流れでは両者の間に30秒のラグがあります.2ノットの流れで15秒のラグがあるということです.
鹿児島では1ノット〜2ノットというのはよくある潮流ですので,これぐらいのラグの中釣りをするということをまずは考えます.
だったら30秒遅く投入するというのも1つの手です.

2.ジグの重さを他人と変える工夫

1.ではタイミングの話をしましたが,今度はジグの重さです.
1,で50フィートの船では15mの距離があると言いました.
15mという距離は回遊魚にとってはなんてことはない,すぐそこからそこまでの距離です.
ということは?食い気がありまくる場合,一番最初に落ちてきたジグを食うこともあります.
ということでジグの重さを他人よりかなり重いものにして,着底1番を狙うという方法があります.
この方法は私はあまりやりませんが,実践してみると,潮下なのに最初にヒットしたり出来ます.
もしくは先程30秒のラグがあると言ったので,逆に軽いジグを使ってフワフワ落とし,着底まで潮上と30秒ラグを作るという方法もあります.

3. 他人がシャクっている時にしゃくらず,他人が落としている時にしゃくる

船中,同じような重さのジグで同じよな仕掛けの太さで,同じようなリールで一斉にジグを投入した場合,ほぼ同時に着底し,みんな同時にしゃくり始めます.
みんながシャクっているときはそれだけ魚もジグを選ぶと思います.
そういう場合,潮上は強いです.なので,敢えて,みんながしゃくらないようなタイミングを狙ってしゃくるという方法があります.
これは1.2で書いたジグを落とすタイミングやジグの重さを巧妙に変えて,他の人がシャクってないタイミングでシャクることを可能としなければなりません.
中層付近で一旦ストップを入れてから落とすとか,他の人が30mシャクっていたら自分は40mしゃくる,あるいは20mしゃくるなど,他の人を良く観察してやる必要があります.

4.ナナメ引きする

ポジションによっては出来ませんが,ナナメ引き.
流し釣りの場合,潮が素直であればラインは垂直になります.
これだとピンポイントでさぐれますが,探れる範囲は狭くなります.
そこでナナメ引き.ジグを遠投します.
私は場合よっては50mぐらいは投げます.
もちろん,潮上に向かって投げることはせず,潮に対して垂直に投げることがほとんどです.
投げて斜めに引いてくることのメリットは広い範囲を探れることです.
違うスジを打っていく感じになります.
ボトム近辺を狙う場合はナナメの場合,根掛かり率が格段に上がるので注意が必要です.

5. 最後に

要は不利なポジションで普通にやってても釣れないことは多いです.

また,こういう工夫をいくら積み重ねても,結局最後は食わせれるシャクリをしているかどうかもかなり重要です.小手先の工夫とそれを支えるジグを動かすテクニック両方備わってこそ潮下で釣れる様になると思います.

そうなってくると,潮下でも他より釣れるなんてことももはや珍しくはないです.
ポジションばかり気にしている人は発想を転換して,楽しむ方に考えたほうが,腕も上達するし,楽しめると思います.

でわ!

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