トカラ口之島から屋久島帰りの週末ジギング(明日丸)

5月中旬,諏訪之瀬島から堤防GTの話題が聞こえてきた頃にもはや毎年恒例になりつつある明日丸さんでトカラジギング行ってきました!

本来の予定では夜は中之島に泊まり,堤防からGTを狙ってみる予定でしたが,日曜の風がアヤシイので,以下のようなスケジュールで行ってきました.トカラ遠征は臨機応変に安全を重視することも大事です.

金曜23時発のフェリーとしまにて口之島を目指します.

土曜日朝,明日丸と合流し,一日目の土曜日はガッツリジギング.その日のうちに屋久島に船を向け,明日丸の母港安房港に泊まります.
日曜日の二日目は半日釣り.安房港発のジェットフォイル,トッピーにて土曜の15時半には鹿児島港に帰ってきました.
こうすることで週末を利用して1日+半日ジギングを楽しむことが出来ます.

メンバーは明日丸はじめましてな方も3名,またありがとうございますな方3名,と私の7名で行ってきました.

フェリーとしまでは,他の遊漁船に乗られる方とも情報交換出来て非常に楽しい時間でした.興奮してあんまり寝れませんでした・・・.

フェリーを降りて,

荷物を受け取り,
この日は口之島へのお客さんが多く特性パレット作ってもらいました.

明日丸に積み込みいざ出航.
トカラの曽根まわりをうちます.

最初のポイントへ

・・・・!?!?!?

まさかの逆潮.99%ぐらい食わない潮向きに船長絶句.
前回同様ニンマリして「やばいですね!」
ということで,1流しで大きく移動.
この場所だけ変な潮が入っているだけだと信じたいです.

トカラは1マイルも走ればガラリと潮向きが変わることも珍しくないため,移動します.

移動した先は・・・・割りと素直な潮!
これならチャンスが有る!と思って流すこと1流し,2流し,私にはアタリがありませんが,同船者が何人かブレイク!(魚はそんなに大きくない感じなんですがなぜ!?
謎の負の連鎖は続き,バラシにブレイクと5〜6発続き,全く魚の顔が見れない!!
巨大魚がかかっているわけではありません.
(※私にはアタリすらありませんが・・・・?)

潮向き,流れ,反応ともにそれほど悪くないのになかなか口を使ってこない状況が続きます.

やっと私にもヒットしますが!?スマ.
このスマ,食いましたが,脂のノリが半端なく,大変美味しいスマでした.

そういえば,このスマがこの日最初に上がった魚でした.

その後,ようやく船中初のカンパチがあがりますが,1kgぐらいのネリゴ.
!?!?!? トカラでは逆に珍しいサイズです.普通のアベレージは4kg〜6kgぐらいです.トカラのこの場所で1kgぐらいのネリゴは10kgオーバーと同じぐらいの希少価値があります(笑.

まぁ,そんなかんやで潮も反応も相変わらずそれほど悪くはないように見えるので,粘って食いが立つのを待つ作戦.
普通は1流しか2流しで見切るところを,1つのポイントで5回ぐらいスジを変えて流し直します.こういう待ちの釣りでは同じ場所で色々ジグを変えたり,アクションを変えたり,試行錯誤できるので楽しいです.さすがに5流しぐらいして食わなければ次のポイントへと待ちとランガンを繰り返します.

で,ようやく私にも2ndヒット.
キメジでした.このキメジも脂は乗ってませんが,美味かったですよ!感謝.

さらに船はポイントを周ります.
次のポイントはクエが居るポイントですよ.と船長.某DVDでクエ30kgが上がった場所・・・.ということで,ちょっと気分転換に底物を狙ってみます.
2枚潮で2ノット近く潮が行き始めたのでジグはフレック700g.

基本的にジグを操作して食わせたい派ですが,クソ2枚潮の上げでジグを動かすテクニックはまだ私にはないのと,根物狙いということでのチョイスです.フレックは底物だけでなく,クソ潮でカンパチもよく食います・・・.
クソ二枚潮ではフォールをキチンと効かせて誘うことが非常に効果的だと思います.
また,重いジグで思いっきりサミング,ブレーキをかけることで糸を立てる.これ大事です.
複雑な2枚潮をいかに攻略できるか?がトカラのディープで釣果をあげる秘訣かと思います.いずれ詳細に私の考えは書きたいと思います.

そして,数流し後,待望のクエ系の押さえ込むようなアタリのあと,強引な引き!
着底後,ハンドル2回転切って糸ふけを取り,1/2ピッチでフワフワさせたあとのロングフォールでズドンでした.
食った瞬間,ヤバイ・・・と思って船長に「捕れないかも!」と弱音を吐くと「絶対捕る!捕る!捕る!捕る!」と熱い声援が.根物との勝負は底の攻防をいかに制するかですが,こちらは「攻めるだけに限る」と思っています.
根物はカンパチよりは反転しにくいので,私の場合,根から離すまでは無理にでも止めます.巻きます.カンパチは根に突っ込みまではしないので,水深以上にラインが出ても余裕があったりしますが,根物は根に頭を突っ込んで鰓をハリます.そうなったらまずとれません.
なので,こちらは攻めに攻めまくることが有効です.と個人的には思っています.この考え方が唯一有効な手立てだとは思っていませんが,「魚がかかってから即巻きしない人」で大型のハタを捕れた人はまだ見たことないです

そういえばちょうどサーフのヒラメがこんな感じですよね.テンションかけてれば反転しにくい体の構造をしています.頭をこちらに向けさせたまま,反転させない.こういう時にも低伸度ラインの真価が発揮されます.伸びるラインだとこちらがいくら止めて巻こうがラインの伸びで持っていかれることがあります.

最初の数秒で勝負は決まることが多いです.
やりとりしている間は余裕はなく,相手が反転しようとしたら止めてリフト,リールをありったけの力で巻きます.
だいぶ巻けたなと思って,船長に水深を聞き,ラインの色を見て底から何m切れたか確認.ほとんど走らなくなり,「よし!底20m切りました!」で,勝ったな.と思ってゆっくり巻きに入ろうとしたその刹那・・・バレ
あれだけ止めてびくともしなかったのに!!!!!
原因は身切れでした.
ハリも曲がってませんし,リングも伸びていません,リーダーもざらついていません. ファイトは100点あげたいぐらいのファイトだったと思います.が,残念!
根に張り付かれてブレイクするよりはマシだと思ってやるしかないです.
見直すとしたらファイトではなく,タックルバランス,とくにハリや誘い方ですね.
もう少しだけ太軸のハリにしたほうがよいのかなぁとか色々思いましたが,それよりも根物を狙うときはリアフックアシスト長さに釣り上げる秘訣があるように最近は思い始めました.
このことについてもまたいずれ記事にしたいと思います.

上がってきたフレックには綺麗に円錐歯の歯型が着いていました.

悔しい!メタルジグのエッジをえぐるようなえげつない顎の力です.

この時,自分は今日これで終わるんだと思っていました.

その後,大きく移動.
私にまたスマ!激ウマのスマです!

さらに移動!
移動先ではさらに潮が変になってきます.
3ノットオーバー覚悟!

で,移動したポイントで船中2本のホウキハタ.2発カンナギ系のブレイクあり.
根物とのファイトは慣れが必要です.※私にはあたりがありません!!!
 
さらに次の流しで私にアタリがありましたが,当たった瞬間にほとんどテンションかかってないのにブレイク・・・・!?
さっきクエ(らしき魚)とやり取りしてフルドラグでもびくともしなかったタックルなのに何故!?!?
やり取り後,スマも釣ってますし,こんなへんなテンションで切れるわけないのですが・・・・魚のラインアタックか!?
というような感じで,もう完全に終わったモードに入ってます.

そしてラスト2のポイント.
ここでは前回来た時に私が21kgを釣らせてもらったポイント.
潮ぐちゃぐちゃを覚悟しましたが2ノットオーバーでの2枚潮だったので,なんとかワンチャンスある!!!ギリギリ今日持ってきている道具立てで釣りが成立させられると予想しました.
(2ノットオーバーの2枚潮で200mと「2」に縁のあるポイントなんですかね・・・・)
PE3号にジグ800gセット.水深の4倍設定です.

こういう時にもULTの真価が発揮されます.

1流し目・・・・あた・・・り!?エビ?
いや,魚!って感じでハチビキ.
2流し目・・・・・ハチビキ!!!!!
こいつらを食ってるカンパチが居るはず!2匹めのハチビキは水中で外そうと試みましたが,はずれず!クエは外れるのにハチビキは外そうと思っても外れない・・・そんなもんです.

船中ハチビキ祭りになってます.

ちなみに,このハチビキ.フライにして食ったんですが,絶品!!!
まじで絶品!最高のフライでした.ハチビキ釣れたら積極的に喜んでやろうと思いました.

ハチビキの反応は掴めたので,船長はハチビキの反応を交わしてその潮下にある反応にダイレクトに船を入れます.

スピンドル800g・・・水深は200mから駆け上がって180m.
例によって,2枚潮なので強烈なサミングを入れてなるだけ真下に落とします.
水深180mに対してそれでも195mラインが出ます.船底にラインが入ります.

ドテラ気味でもラインが船底に入る2枚潮.
5回巻き上げ,フワフワとワンピッチでしゃくり上げた後ロングフォールを繰り返します.2回めのフワフワからのロングフォールでズドン.
カンパチだ!と思う引き込み.負けじと巻きます.

本カンパチであれば結構走らせてもなんとかとれるのですが,こういう2枚潮下では止められるなら止めた方が良いし,ラインを立てるためにもある程度テンションは必要だと思います.
そして,なにより根が切れてさえいれば,根ズレの心配はないので,それに越したことはありません.
完全に根がフラットなポイントではないので巻くことは大事だと思います.超巨大カンパチの場合はまた別だと考えますが・・・.

180mに対してライン放出量180mでの攻防.
ラインが斜めに入っているので,根は切れているはずです.

195mラインが出た状態で着底したので,ラインのたるみを考えても底まで10m程度は猶予があるはず.
かなりトルクフルな魚でストライクからフルドラグに入れた10kgかかっているドラグを引きずり出します.根さえ切れていれば適切なドラグ値をちゃんとかけてあげてプレッシャーを与えることが重要だと考えます.
この日は少し波があり,船底に入る潮なので,リフトが難しく,2スピードのパワーギアに入れて巻きます!2スピードのローギアはこういう時にむちゃくちゃ役に立ちます.
リフトがかなり難しい状況でも巻ける.1cmでも巻ける.これ大事です.カンパチは段々と走る距離が短くなり,諦めモードへ.
みなさんオマツリを警戒してジグを上げてくれました.

魚があきらめモードに入って底が50mぐらい切れたらあとはゆっくりサメに気をつけながらあげるだけです.決して焦ってはいけません.頑張って止めたファイトをしているので,あまり無理な負荷を加えると身切れの恐れもありますし,かかりどころがわるければフック伸びの可能性もあるため,私は上にくれば来るほどドラグを緩めます.最終ドラグ値で2kg〜4kgぐらいまでは落としていると思います.

無事あがったカンパチは長さが無いですがデブデブに太った本カンパチ♂のナイスワンでした.

写真で見ると分かりにくいですので,人間と比較します.

厳ついです(笑.

長さがないので,ウェイトは港で正式計量にて18.7kgでした.

念願?の膝のせと撮ってもらいました.膝のせは30kg釣ってから!と思っていましたが,かっこよすぎる魚体なのでやってみたくなりお願いしました.

この日,私に来た初のカンパチのアタリがコレ.むちゃくちゃ痺れました.
ここ最近まったくカンパチ釣ってなかったので,嬉しさ倍増!.また忘れられない魚に出会えました.

それほど大きなカンパチではありませんが,状況的に重量では語れないなんとも言えない達成感がありました.
これでトカラのぶっ飛び二枚潮が攻略できたとは思っていませんが,攻略するための緒は掴んだように思います.

普通なら諦めてしまうような2ノットオーバー,3ノットオーバーの二枚潮.
これを如何に攻略して,釣りを成立させ,魚を釣り上げていくか,これが今最も私の中で挑戦しがいのある課題だと思っています.
そのためには,2ノットオーバーの二枚潮でも諦めない遊漁船が必要です.
また船長にはクソ潮でもとことん付き合ってもらおうと思いますし,最高難易度と言っても過言ではない状況で釣りができるトカラの海に挑戦してくれる人募集しています(詳細は後ほど.

この日の海況では500g未満はほとんど使わず,メインウェイトが600g,700g,800gでした.
そして,そうしたなかで,2ノットオーバーの二枚潮の200mでも800gを用いると,なんとか釣りが成立させられることが分かってきました.ジグを軽くしても一応着底はとれますが,フォールがきかないし,糸ふけも大きく出ますので食わせることが難しく,食わせても糸フケ分で走られて切られることが多くなると思います.
もちろん常にどんな海況でも釣りが成立するとは思っていませんが,3ノットオーバーのクソ二枚潮から大型のカンパチを釣り上げたいなと思っています.
ジグを重くして,重いジグでも動かして,フォールを効かせて釣り上げていく,水深の5倍,6倍の重さのジグを使っていく,そういうスタイルに挑戦したいと思っています.
早速,家に帰って1000gオーバーのジグを注文しました.これを使わないと釣りが成立しない海況に早く出会いたいものです.

また,前回にいい魚を釣らせてもらった時も書きましたが,私一人で釣れた魚ではないです.一緒に行ってくれる方が居て,明日丸の船長が居て,そういう恵まれた環境が釣らせてくれた1匹です.
みなさんありがとうございました.
こういう魚,メンバー,船長に出会ってほしくて,そしてまた自分も出会いたくて,トカラ遠征は今後も計画していく予定です.参加表明いただけるかたは是非メール等でお問い合わせください.スマホなら記事の下,PCなら記事の横にメールアドレスが書いてあります.

ちなみに,おそらく同じぐらいのサイズが同船者にアタリましたが,残念ながらブレイク・・・・.

かけるのも難しいですが,捕るのもまぁまぁ難しいです.

船はその後ラストポイントへ.
反応は今日一!!!!でしたが,かけきれず一日目終了となりました.

で,帰港.
安房港でみんなでキャンプ(野宿)しました.

次の日は夜明けから屋久島まわり.夜明けぐらいに出航.

本来調子がよければ3〜4kgのカンパチが遊んでくれるのですが!?
カンパチは留守のようで,鉄板ポイントまで回ってもらったのに,不発でした.

屋久島も雄大でかっこよいです.

朝一のポイントでモゾっとしたアタリから上がってきたのは・・・ナガタチカマス!?
このポイントでは初めて釣れたそうです.リリースできそうだったので,さっさとリリース.

カンパチ・マハタ・エビスダイのポイントでエビスダイが入れ食い.

なかなか本命のアタリを引けません.

昼前の撤収時間になってようやく潮が素直になり・・・・同船者に待望のアタリ!
10kg弱のヒレナガカンパチでした.

という感じで,全体としてみれば,激渋!と言っても過言ではないような状況でしたが,なんとか1本.自分にイイカンパチが来てくれた.というような釣行でした.

お昼に上がってみんなで片付け.
安房港からトッピーで帰りました.

釣果:カンパチ18.7kg,スマ×2,キメジ×1,エビスダイ×3,ナガタチカマス×1,ハチビキ×2

ヒットジグ:スピンドル800g(カンパチ)
その他はSPY-5,フレック,OVO,DualStar

今回は冒頭にも書きましたが,初めて明日丸釣行に参加いただいた方もいらっしゃり,またそういう輪が広がる意味でもよかったなと思いました.
さらに今回ご一緒させていただいた方から釣りに誘ってもらったり・・・・.

明日丸で行くトカラは未知なるジギングを知る1歩となると思っています.もちろん他の船でも同様だと思いますが.
黒潮によって複雑な潮流が絡み合うディープのトカラは全国的に見てもやはり特殊な海で攻略のしがいのある魅力的な海域だと思います.黒潮当てる海域はどこも面白そうです.
難易度が高いからこそ挑戦しがいがあって,楽しいです.簡単に魚が釣れるときもありますが.
トカラが一番難易度高い!とかそういうことをイイたいのではないです.
ちょっとマンネリしたジギングに刺激が欲しい方にうってつけです!

今年の秋,冬,来年の春と乗り合い募集させていただきますので,もし行ってもいいよ?という方はご一報ください.来年の春のシーズンは複数回行く予定になってます.随時募集しています.

最後までご覧いただきありがとうございました.

コメント

  1. marugo より:

    おめでとうございます!
    すごいカンパチです。
    豪快で繊細な釣りされてますね。

    トカラは子宝島に2度、堤防GTで行きましたが
    自分はよう釣りませんでした。
    記事を読んで
    魚は多いけど難しい所、と感じたことを思い出しました。

  2. fortyfive より:

    ありがとうございます!
    ウェイトは無かったですが,本当に最高にかっこいいカンパチでした!
    豪快で繊細・・・なるほど・・そう言われて見ればそうかもしれません.
    いい表現,ありがとうございます.

    私はまだ諏訪之瀬より南には行ったことないです!そのうち行きたいなとは思っているのですが,色々な事があり,足が遠のいています.堤防GTもいつか挑戦してみたいです.毎年行こうと思って,今年こそジギングのついでに行ける!とおもっていたのですが,そうは問屋が卸さなかったようです・・・・.

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