海で使う衛星通信徹底比較|4大キャリア,イリジウム,スターリンクは何が違うのか

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1.導入編:海の「圏外」はただ不便なのではなく,ただのリスク

海に出ると,陸上では当たり前だったスマホの電波が急に頼りなくなります.
港を出て数マイル.地形,基地局の向き,船の位置,天候によって,4Gや5Gは簡単に繋がらなくなります.
※海域によっては岸から10マイル以上離れてもギリギリ電波があることはあります.

SNSを更新できない,天気を確認できない,家族に帰港予定を伝えられない.
問題が起こらない限りそれらは大したことではありません.

問題は,エンジントラブル,落水,急な荒天,船体トラブルが起きたときだと思います.
その瞬間,通信手段は便利グッズではなく,命綱になります.

ここ数年で,スマホと衛星が直接つながるサービスが増えてきました.
au,ドコモ,ソフトバンクはStarlink Direct系の衛星通信を展開し,楽天モバイルはAST SpaceMobileとの衛星通信サービスを準備しています.
一方で,従来から海の非常用通信として使われてきたイリジウム,そして近年,船上ブロードバンドとして急速に広がるスターリンクもあります.

この記事では,これらの最新情報と今後の展望,海で本当に使えるのはどれかという視点で比較します.

現時点での私の使用環境.
色々比較した結果,コスパと最低限の命綱という観点から,ドコモ,Auのスターリンクダイレクト+Garmin inReach(イリジウム)を個人的にこの記事執筆時点では使っています.

2.分類:同じ衛星通信でも,目的がまったく違う

Au,ドコモ,ソフトバンクのスターリンクダイレクト

主な目的:圏外でのメッセージ送信,位置情報更新,一部アプリの使用
使用可能海域:ドコモ,ソフトバンク:陸から12海里(領海),AU:陸から24海里(接続水域含む)

船の航行区域は岸から20海里までで設定されている事が多く,この記事執筆時点でドコモとソフトバンクは12海里までしか対応していないため繋がらない海域が結構あります.自分の行く海域がどのあたりなのか?によって,命綱としての機能は全く無意味になります.

こちらがドコモのスターリンクダイレクトエリア

こちらがAUのスターリンクダイレクトエリア

現状,遠征船で使うならスターリンクダイレクト一択になります.

楽天モバイルのAST SpaceMobile連携
現時点でスマホを衛星通信に接続できないゆいいつの国産キャリアが楽天ですが,楽天は3社とは全く違う戦略を取っており,AST SpaceMobileの大型のアンテナをもつ衛星と連携して,スターリンクダイレクトのようにメッセージメインではなく,衛星インターネットを使えるように画策しているようです.もし,これが実現して,海上の広い範囲で使えるようになれば,海では楽天一択になりそうなので,個人的には期待していますが,正直,結構チャレンジングな試みなので,うまくいくかいかないかは50:50ぐらいなんじゃないかなと思っています.
一応,デモでは衛星につなげて,ビデオ通話した.というような記録はあります.

記事はこちら

楽天モバイルと米AST SpaceMobile、日本国内で初めて低軌道衛星と市販スマートフォンの直接通信試験によるビデオ通話に成功 | プレスリリース | 楽天モバイル株式会社
楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)と米AST SpaceMobile(以下「AST」)は、2025年4月に、日本国内で初めて(注1)、低軌道衛星と市販スマートフォン同士のエンドツーエンドでの直接通信によるビデオ通話に成功しました。...

イリジウム通信

使用目的:衛星電話から衛星を使ったメッセージのみの契約もできます.
使用可能海域:地球全土
私はGarminのinReachというメッセージメインのデバイスでイリジウムと契約しており,SOS発信,天気予報取り寄せ,メールでのやり取り.が出来ます.衛星電話も月額1万円ちょっとぐらいからあります.GarminのinReachは一番最小のプランであれば,月額1180円で維持できます.

地球のどこでも繋がる.という点でイリジウムは強いです.また,inReachのようなメッセンジャーデバイスだけであればかなり小型で電池持ちも相当良いので,これはいざというときの命綱として自分は持つようにしています.ゴムボでも遊漁船でもあるだけで少しは安心感があります.また,沖あがりの時間とかだけでも家族に連絡ができるので,重宝しています.

スターリンク

使用目的:高速インターネット
使用可能海域:地球全土
※契約が複雑ですが,マリタイム契約すれば海上全域で使えます.また,Roamのみだと12海里まで,またRoamのアンリミテッド契約だと,OceanModeが使えて,それだと従量制にはなりますが12海里超えてもGlobal優先につなぐことができるのでインターネットが出来ます.
YoutubeからSNS,天気予報までかなり快適に通信することが出来ます.
アンリミテッド契約が円安のせいで15600円に値上がりしており,個人で導入するにはちょっと考える値段です.
ただ,どれだけ沖に行っても,絶海の孤島でも高速インターネットにつながるのは相当の安心感があり,詳細な天気情報などを見れるのは気候が不安定なときの出船でかなり役に立つのを経験したことがあります.
一応,使わない月はスタンバイモードにすることで月額780円に抑えられます.この状態だと,下りが1Mbpsに抑えられますが,ネットには一応つながります.ただし,おそらくオーシャンモードは使えないと思われます.
ちなみに,より安定した海上インターネットをするためにはビジネスのマリタイム契約で最初からGlobal優先で契約する方法もあります.その場合,ハードウェアだけで40万弱,月額料金も38500円〜となりだいぶ高額になります.
個人レベルであれば,Roamの無制限+OceanModeが最適解と思います.

その他の衛星通信
ワイドスターやインマルサットなど他にも海上インターネットにつなげるようなサービスはありますが,現状スターリンクほどの利便性やコスパはないように思いますので,ここでは紹介しないことにします.

iPhoneの衛星メッセージ機能
さらにiPhoneだと圏外になった場合に無料で衛星メッセージ機能が使えるのですが,これは岸から離れると使えなくなるので,現状,あんまり海上で使えるような機能ではないと思います.

まとめ

ということで,最後まとめると・・・

海上のいざというときの手段として,衛星メッセージ機能もしくは衛星インターネットは備えておいた方がよい!
で,現状,スマホでのメッセージは自分の釣行エリアに合わせて会社を選ぶ必要がある.イリジウムは全世界使えるので安定(維持費も比較的安い),スターリンクは安定のどこでも高速インターネット.今後に期待なのは楽天のAST SpaceMobile連携(ただしエリア次第).
価格はスターリンクダイレクトスマホ<イリジウム<<<<<<<スターリンク

で,あとは自分の行く海域とか欲しいものとか,値段とか総合的に考えて判断する.
という感じになるかなと思います.

でわ.

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