アカムツの捕食行動を観察した話

どうもです.

アカムツの話題です.

今年後半になって,アカムツジギングにのめり込み始めた45です.
アカムツを釣る上で,どうしても見ておきたかったのはアカムツの捕食.

というのも,ジギングというのは魚が食う瞬間は見えないことがほとんどの釣りです.
ごく浅い,透明度の高い場所なら水面から捕食が見えるかもしれませんが,そういうことはまず無いと思います.

どうやって魚が泳ぐのか,そしてどうやって魚が餌を見つけるのか,そして見つけた餌にどのようにして食いつくのか.これがイメージできることがジギングで魚を釣る秘訣だと思ってます.

勝手な話ですが,ジグの水中イメージと捕食のイメージが重なった時,よく釣れているように思います.もちろん,全然イメージできないけど釣れる時もありますが・・・.

なので,私はYoutubeなどの動画サイトで捕食の映像を検索してよく見たりしています.
また,泳いでる姿を見たいので,水族館などにはちょこちょこ行ってます.

でも・・・・アカムツの捕食映像は私が調べた限りではネットにアカムツの捕食映像は無いと思います.

どうしても見たい.あのなんとも掴みどころのないジギングで釣れるアカムツ.
一体どういう捕食をしているんだ?と気になりまくっていたんです.

ちなみに,生きたアカムツは最近はかごしま水族館で展示してあり,何回か見に行きました.

今はリニューアルしたちょっと照明の暗い深海水槽に移されてますが,前は光量の高い水槽で飼育されてました.

こちらの動画は深海水槽に移動される前のアカムツの姿です.

動画をブログに直接貼るのは初めてなので,どうなってるかわかりませんが,ヒレの動き,目の動き色々なところに注目したいです.

自然界のアカムツとはちょっと違うことになっているかもしれないけど,このアカムツの捕食している姿が見たい!と思っていたところ・・・・幸運にも深海水槽の給餌を見せて頂ける機会がありました.

ということで,見てきた感想を述べたいと思います.

見てきた水槽はかごしま水族館の深海コーナーの入り口にある水槽.
中には,謎のカニ,ヒメ,ユメカサゴ,ムツ(小)とアカムツが入っていました.

餌の種類について

アカムツについて,今は餌付いているので,死に餌(オキアミ,小アジ)を食うようですが,最初は死に餌は喰わず,活餌(カタクチイワシなど)のみに反応していたらしいです.

今回は,オキアミと小アジでした.

給餌前の様子

まず,飼育員さんが水槽の上にいくとヒメとユメカサゴがかなりざわつきます.
そして,いつもは底の方でじっとしているヒメとユメカサゴが底を離れて縦横無尽に暴れまわり始めます.
どうやら餌が来るということを感知しているようです.

肝心のアカムツは・・・・ほぼ無関心.平然を保っている様子.
ここで展示してあるアカムツのうち,長いものは私が知っている限りでも1年ぐらいは展示してある個体です.水槽に慣れてないというわけではないようです.

実際に餌が投入されてからの動き

最初に小アジが投入されると,ヒメとユメカサゴが我が物顔で餌を取りに来ます.ムツもわりと積極的に餌をとってました.
しかし,アカムツはほぼ無関心・・・.たまーに,餌に興味を示していますが,ユメカサゴかヒメがロックオンしたことがわかると一歩退く感じで争ってまで餌を取りに行こうとはしません.

これは水槽の中ですが,実際の海の中でもユメカサゴにロックオンされると,ユメカサゴが食べてしまうのかなぁと思ったりしました.

そして,ユメカサゴとヒメは餌をたらふく食って,落ち着いてきている様子です.

餌がバンバン投げ込まれ,ユメカサゴとヒメが落ち着いたタイミングでオキアミにスイッチ.

オキアミもまたまだまだユメカサゴとヒメ,クロムツの餌食になりますが・・・.
ついにここでアカムツのうちの1匹がオキアミにアタックして捕食しました.

感動しました.

アカムツが餌をとったのは本当に他の魚がちょっと落ち着いて競争しなくても餌が取れるようになってからです.
活性が上がって浮き上がっていたユメカサゴとヒメが一旦落ち着いて底に沈んだタイミングだったように思います.

その後,続々投入されるオキアミ.

ここで一番不思議だったのは,ヒメやユメカサゴは上方の餌にかなり反応がよく,浮き上がって下から捕食することが多いのに対して,アカムツは上方の餌にはほとんど興味を示さず,下側から捕食することは殆ど無いということです.
観察している限りだと,両眼視野しかも,前方の餌にかなり興味を示していました.

魚の視野角度は大変広く,片眼で150〜160度,両眼視野は重なる30度ぐらい.
そして上方視野は100度ある.
みたいな話をよく書いてて,大変広い範囲が見えているのだなぁと思っては居ました.
魚種によって見えていても興味を引くレンジは違うのかなと.

少なくとも今回の給餌を観察している限りでは,アカムツ上方はマジで見えてんのか?と思えるレベルでした.見えてるけど,あんまり気にしてない・・・程度なのかも?

自分の前方真正面に餌が来たときには結構離れたところの餌も見つけて行ってました.
そして興味深いのは一度狙いを定めた餌にはとりあえず寄っていくという点.
例えば,自分からまっすぐみたときに3個餌が見えていた場合,一番近いところの餌を食べるのか?というとそうではなく,一番近いところの餌をスルーして2番めの餌を食べに行ったりする.そんな感じでした.

ある程度オキアミを食ったら,小アジにスイッチ.
ユメカサゴとヒメはそれほどやる気がなくなってきているので,アカムツも小アジにありついてました.
オキアミのときは魚の捕食動画でよくある反転バイトはせずに,パクっと食べてすーっっと泳ぐ,例えば,シーバスのバチパターンのときみたいな捕食をしていたんですが,小アジになると,たまーにですが,食べた後に反転するよな動きも見せていました.

小アジになっても相変わらず上方向の餌を拾わず,ひたすら,自分と水平方向にある餌ばかり食べていたことが印象的でした.

で,アカムツは歯があるので,噛みつき系の捕食をするのかなぁとも思っていましたが,割りとオーソドックスなバキューム系の捕食で,「へー」と思った次第です.

アカムツが狙いを定める餌と定めない餌があるのですが,その違いについては明確な差を今回の観察では見いだせませんでした.

そして,この水槽,アカムツは複数匹入っているのですが,まったく餌を喰わなかったアカムツが居ました.魚ってとりあえず摂食行動は本能みたいなもんで食べやすい餌があれば常に飯食ってるってイメージだったんですが,話を伺うと食い気のムラみたいなものもアカムツはかなりあるようです.

ということで,ジギングでやってるときの掴みどころのない感じがそのまま給餌でも現れるということにジギングので釣ってる時の捕食のイメージと実際の捕食が重なるところもありました.

で,とりあえず給餌が終わって水槽の前で1時間ほど観察していたんですが,ここでもまた非常に興味深い現象が起きました.

餌の食べ残しがわりとあって,底にはオキアミのカスとかアジのカスとかがちょこちょこある感じ.で,そのカスがたまに魚が動いたタイミングでフワっと舞うんです.
アカムツだけこのフワッっと舞った餌に反応して食べるんです.
それはもうフワフワしてて,本当にカスみたいな小さな餌なんですが,それを見つけては食べ,見つけては食べ・・・.他の魚は全くと言っていいほどそういうことはしないんですが,舞った餌だけを食う.そんな感じが1時間ぐらいたっても断続的に続いてました.
また,お話を伺うと,底に落ちている餌を拾い食いはしないらしいです.なので,ジギングでも底を切った状態でないと喰わないと言っても過言では無いんじゃないかなぁと思います.もちろん絶対なんかないので,着底状態でも食う場合もあるかもしれませんが,今回観察した中では確認できませんでした.

あくまで飼育下の限定された状況なので,今回の観察にすべて考えを引っ張られないほうがよいですが,今回観察させてもらえて,かなりイメージが広がったかなと思ってます.

これを活かしてアカムツジギング上達していきたいです.

でわ.

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